今からおまえはカレーになるのだ
twitterはじめて、初めて1000以上のRTやいいね!をもらった近所に住んでいたインドカレー屋の元店長(パキスタン人)のことを軽く書いおく。
元店長からカレーの作り方をならうのは、大概世間から考えたらティータイムみたいな時間におしかけては遅いランチをたべてる中(店内の電気が半分以上きえてる店で)、本人夜の仕込みかだらだらしてたり、半分雑談だった。
実際のところそのキッチンにいれてもらったのは二度くらい。
でも何度もきいたし、未だにカレーをつくる時は、その店長が脳内に降臨してきて色々忠告してくるんスよ。困ったことにw
ちなみにこの店長「なんで日本人は味の素って便利なものをつくっといてそんなに嫌うのだ?」「日本のカレールーは美味しいのになぜ箱のレシピどおりつくらないのだ」というようなタイプ。
でもカレーが好きで、日本のカレーがすきで、インドカレーもマレーカレーもパキスタンのカレーも等しく愛しており、その店で出て来るフライドポテトになぞの美味しい粉がかかったおつまみは最高にジャンクで美味しかったw
(多分タンドリーチキンミックス粉かなにかに、にんにくパウダーがはいってた)
以下箇条書きだが、あのtwitterで説明しきれなかった「等」の部分に含まれた(ある意味雑で)強い<日常のカレー>でも感じでいただければ。
なお、文中(カッコ)内は私の脚注です。
- 玉ねぎを飴色になるまで炒めてたら「さっと料理しろ」とインド人のお姑さんから叱られる。しんなりしてかさがへって、少し色づけばもういいのだ。煮れば甘みはでる。
- 野菜でマストはたまねぎ。ほかはあるものでいい。だが、きのこ類はだめだ
- じゃがいもの入ってるカレーは本式じゃないとかいうが、それはカレーの奥深さをしらないのだ。入れろ。じゃがいもはうまい
- 日本のカレーのルーはうまい。バーモンドカレーは完成された味だ。日本人は誇るべき
- ギーがあればギーでいためる。なければ適宜油。油はケチるな。玉ねぎを揚げるくらいの気持ちで入れろ。油は旨味である。
- 油で必ず炒めるのは刻むかおろした生姜だが、なくてもいい。さっさと作る
- 野菜を炒めるときには少量の塩を。塩をふり、野菜に汗をかかせる
- 野菜をある程度炒めたら、カレー粉を入れる。火を通すとスパイスの香りはほぼ飛ぶのであくまで具材に「今からおまえはカレーになるのだ」と言いきかせるため
- 煮る時にはローリエ。なくてもいいが、あると「やった気」になる(何を?w)
- トマトが安い時期なら、中位のトマトを適宜刻んで入れる。もしくは手で潰して入れる。トマトは入れすぎるな(量的には4−5人前で1つ程度)
- ざっと全体をまぜたら水を入れて煮る。具材が好きな硬さになるまで煮る。
- 肉のあるなしやチョイスは一緒に食事する人の宗教風習に合わせる。日本ではルーでもめるって聞いたが本当か?(辛さの話かな…)
- 肉を入れるタイミングは、野菜をある程度煮てからでも(鶏むね肉等は固くもなるし)野菜と一緒に圧力鍋でもいい。あとから入れる理由の多くはベジタリアン対応だ(別鍋にしとく)。ここは日本だ気にするな。
- 火がとおったらルー。日本のルーはうまいぞ。ベースにする程度にはいれたら早い。なんなら日本のルーで完成させてスパイスはふるだけでいい
- 味がものたりなかったら、スパイスより塩。塩は旨味である。塩はけちるな。いい塩を使え。
- 味が濃くなったらプレーンヨーグルトを入れるとさわやかさもあっていい。が、水でいい。ゆるさ加減も好き好きでいい
- コクがたりなかったら少量のチーズか牛乳を。もしくは「さらっとしてるなー」って思って食べればいい。
- スパイスは熱で香りがとぶので、本当に最後でいい。火をとめて混ぜたんでいい。なんなら食べる寸前でいい。
- 色々スパイス買って使わないくらいなら、市販のガラムマサラがいい。ジップロックして冷凍庫。クミンパウダーとシナモンパウダーを別途まぜるとさらにそれっぽい。ホールで買って潰すなんて日本食文化には不必要だ。パウダーでいい
- もしアジアに旅行することがあれば、ミックスカレー粉をかっておけば日本のカレーでベースをしあげて、まぜてスパイスふるだけでいい。日本のカ(以下略)
もちろんこれは家庭用にアレンジした忠告だったんだと思う。お店のカレーはちゃんと本式の南インド料理だから。
これでみなさんも(私のように)カレーをつくるたびに、
なぞの(想像の)パキスタン人が脳内に降臨しますように。