fitbit charge 2_初日レビュ

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●さよならJOWBONE UP

ログをとる、という執着心がある。子供の頃からずっと書いてる日記もそうだ。
ものわすれが激しいので書かないとおさまらないのだ。まあ書いたところで忘れるんだけどw
スマホを持つようになって最初に買ったのが万歩計だった。健康のため以上にログがとりたかったのだ。
最初のは機械式のTANITA。その後、ずっと身につけられて睡眠ログも取れるJOWBONE をいくつかのりついで(これについても苦労があったw)、結局同社のUPmoveにおちついた。写真右の赤いやつ。
ボタン電池で数ヶ月は持つので、それまでの数日おきのチャージは不要。とても便利。
睡眠ログも取れるはずだがちゃんとしたUPシリーズよりずっと適当。
ボタンを二回おすと時刻もある程度わかるし、歩数も概算でわかる。
それよりなにより、UPはスマホのアプリが使いやすかった。
細かいアドバイスとかちょっとした読み物なんかも自動でアプリにやってきてモチベあがるし、気に入ってたのだけれど、JOWBONEはどうやら活動総量計から撤退するらしい。
残念でしかたない。なんの不満もなかった。
でもきっとそのうちこのバージョンアップしないアプリが終わる。

しかたないので←じゅうようw

色々色々色々各社メーカー吟味した挙句に、もう老舗の域のFITBITにしてみたのです。

 

●FITBITのきめて。

どうせ新しくするなら、ライフログだけでなく

・メールや電話の軽い通知がうけとりたい(簡単なスマートウォッチ機能)
・JOWBONEの昔のUP程度には振動型目覚ましが欲しい(それで起きられるとはいっていない)
・付けっ放しで居られるサイズ感
・ある程度の防水(食器あらうとかで外さないで済む)

・バッテリーが数日くらいはもつ


もうほとんどブレスレットで素敵なMISFIT RAYやヨガやフィットネスのカウント等にも特化してる上に上位機種も魅力的なGARMIN vivosmart3などなやんだのだけど、
きめては、アプリの使いやすそうなかんじと各種レビューできめてしまった。
vivosmart3はなんかストラップが切れるとかあるし、misfitはおしゃれだけどねーみたいなの多かったし。
スマートウォッチを主眼にするならばサイズもデザインも各種選べるけれど、それならapple watchでいいのだ。セルラータイプなら電話もでられるし、決済だってできちゃうんだし。電話を新しくしたら積極的に考えたいけれど。

 

で、決めては、バンドが取り替えられるだったw
いやいかにもスポーツタイプのバンド、もうあきちゃったのよねww
そんなにスポーツもしないし… アマゾンみてたらサードパーティー製の時計っぽいバンドいっぱいあったしw

 

●charge2 初日レビュ(前置きながいよ!)

○よかったこと
・案外サイズが大きくない
・時間表示や心拍計は見やすい。タッチパネルの反応も悪くない
・思ったより歩数計が正確(UP3と比べても2%以下の誤差)
心拍計が案外正確(安静時心拍数が血圧計とほぼ同じ)
・階段のカウントや時間毎に動けっていってくるのはいいかんじ
・ベルトの取り外しが簡単。

 

×期待はずれだったこと
・通知部分。charge2に関しては、LINEやgooglemailは通知されない
 (されるのは最近出たBlazeやIonic。通知はSMSと通話のみ。Emailは無理みたい。
  カレンダーも現在通知されていない。なぞw)
・iphneのヘルスケアへアプリ連携ができてないので、サードパーティーのアプリでデータを同期させるしか方法がない
・キーボードを打つと歩数カウントがのびるw(センサがとても敏感)


うーん。期待はずれだった部分のうち、主に通知のとこはおおきく期待していたところもあり、正直がっかりなのだけれどw(逆によかったことは手にしてはじめてわかったことで驚きにあたる部分) このお値段で高望みもね…とは思ったりも。

 

まああれだ
時計サイズをつけっぱで気にならないひとは、各種スマートウォッチでも、もちろんアップルウォッチでもいいんじゃないのかなとか思ったり(もともこもないけつろんw)逆にGPS機能が充実してるならガーミンとかもあるし

 

寝て見て、睡眠ログがどれくらい取れてるか、またアラームで私がおきられるのか?w 試して見たいと思います。


お値段以上でもないけれど、お値段以下でもない。もしかしたらちょうどいいのかもしれません。

今からおまえはカレーになるのだ

twitterはじめて、初めて1000以上のRTやいいね!をもらった近所に住んでいたインドカレー屋の元店長(パキスタン人)のことを軽く書いおく。


元店長からカレーの作り方をならうのは、大概世間から考えたらティータイムみたいな時間におしかけては遅いランチをたべてる中(店内の電気が半分以上きえてる店で)、本人夜の仕込みかだらだらしてたり、半分雑談だった。
実際のところそのキッチンにいれてもらったのは二度くらい。
でも何度もきいたし、未だにカレーをつくる時は、その店長が脳内に降臨してきて色々忠告してくるんスよ。困ったことにw

 

ちなみにこの店長「なんで日本人は味の素って便利なものをつくっといてそんなに嫌うのだ?」「日本のカレールーは美味しいのになぜ箱のレシピどおりつくらないのだ」というようなタイプ。
でもカレーが好きで、日本のカレーがすきで、インドカレーもマレーカレーもパキスタンのカレーも等しく愛しており、その店で出て来るフライドポテトになぞの美味しい粉がかかったおつまみは最高にジャンクで美味しかったw
(多分タンドリーチキンミックス粉かなにかに、にんにくパウダーがはいってた)

 

以下箇条書きだが、あのtwitterで説明しきれなかった「等」の部分に含まれた(ある意味雑で)強い<日常のカレー>でも感じでいただければ。
なお、文中(カッコ)内は私の脚注です。

 

  • 玉ねぎを飴色になるまで炒めてたら「さっと料理しろ」とインド人のお姑さんから叱られる。しんなりしてかさがへって、少し色づけばもういいのだ。煮れば甘みはでる。
  • 野菜でマストはたまねぎ。ほかはあるものでいい。だが、きのこ類はだめだ
  • じゃがいもの入ってるカレーは本式じゃないとかいうが、それはカレーの奥深さをしらないのだ。入れろ。じゃがいもはうまい
  • 日本のカレーのルーはうまい。バーモンドカレーは完成された味だ。日本人は誇るべき
  • ギーがあればギーでいためる。なければ適宜油。油はケチるな。玉ねぎを揚げるくらいの気持ちで入れろ。油は旨味である。
  • 油で必ず炒めるのは刻むかおろした生姜だが、なくてもいい。さっさと作る
  • 野菜を炒めるときには少量の塩を。塩をふり、野菜に汗をかかせる
  • 野菜をある程度炒めたら、カレー粉を入れる。火を通すとスパイスの香りはほぼ飛ぶのであくまで具材に「今からおまえはカレーになるのだ」と言いきかせるため
  • 煮る時にはローリエ。なくてもいいが、あると「やった気」になる(何を?w)
  • トマトが安い時期なら、中位のトマトを適宜刻んで入れる。もしくは手で潰して入れる。トマトは入れすぎるな(量的には4−5人前で1つ程度)
  • ざっと全体をまぜたら水を入れて煮る。具材が好きな硬さになるまで煮る。
  • 肉のあるなしやチョイスは一緒に食事する人の宗教風習に合わせる。日本ではルーでもめるって聞いたが本当か?(辛さの話かな…)
  • 肉を入れるタイミングは、野菜をある程度煮てからでも(鶏むね肉等は固くもなるし)野菜と一緒に圧力鍋でもいい。あとから入れる理由の多くはベジタリアン対応だ(別鍋にしとく)ここは日本だ気にするな。
  • 火がとおったらルー。日本のルーはうまいぞ。ベースにする程度にはいれたら早い。なんなら日本のルーで完成させてスパイスはふるだけでいい
  • 味がものたりなかったら、スパイスより塩。塩は旨味である。塩はけちるな。いい塩を使え。
  • 味が濃くなったらプレーンヨーグルトを入れるとさわやかさもあっていい。が、水でいい。ゆるさ加減も好き好きでいい
  • コクがたりなかったら少量のチーズか牛乳を。もしくは「さらっとしてるなー」って思って食べればいい。
  • スパイスは熱で香りがとぶので、本当に最後でいい。火をとめて混ぜたんでいい。なんなら食べる寸前でいい。
  • 色々スパイス買って使わないくらいなら、市販のガラムマサラがいい。ジップロックして冷凍庫。クミンパウダーとシナモンパウダーを別途まぜるとさらにそれっぽい。ホールで買って潰すなんて日本食文化には不必要だ。パウダーでいい
  • もしアジアに旅行することがあれば、ミックスカレー粉をかっておけば日本のカレーでベースをしあげて、まぜてスパイスふるだけでいい。日本のカ(以下略)

 

もちろんこれは家庭用にアレンジした忠告だったんだと思う。お店のカレーはちゃんと本式の南インド料理だから。

 

これでみなさんも(私のように)カレーをつくるたびに、
なぞの(想像の)パキスタン人が脳内に降臨しますように。

11/8 和辻哲郎「偶像崇拝の心理」

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この勢いで畳み掛けて来る迫力とグルーヴ感大好きだわ。

 

あと和辻の辻が述になってるのは気のせいです_:(´ཀ`」 ∠):

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ひさびさにかいた。これやってるとふと読んだことのない文章に当たる事が会ってそれも楽しい。

「恨む」熱量 「赦す」熱量

●恨む
『リチャード三世』におけるマーガレットは、夫と子供を(国王の座を狙う)リチャードに殺された恨みを持ち続け、それを助けてもくれなかった(そして間接的に/直接的に、彼らの死への引き金をひいた)一族に、呪いを囁いて歩いている。
実際のところ、あの時代の領地も財産もない女性は、引き受けてくれる親族がいなければ生涯を閉じられたも同然だし、それ以上に大事なものを奪われた事を恨み呪う気持ちが大きいのは当たり前で。

で、幽鬼のようにそれをつぶやく魔女と化す。よくわかる。
日本だったら金輪かぶって丑の刻参りとかやっちゃうやつだ。

丑の刻参りの願いを聞き届ける相手は基本、それこそ幽鬼か魔物だと思うのだけれど、マーガレットは生きてる人間相手にそれをやる。
生きてる人間は死者よりパワフルで、反応もある。
食べない寝ない身を整えない彼女は異臭を放ち人から避けられるのだが、それでも劇作のマーガレットは自身に満ちていて、前だけむいて、恨みに対してとても前向きだった。
呪い殺してやる、というより、私の呪いで死ね!って言い放つ強さ。
国がどうなろうと、お前の手にさえ堕ちなければどうでもいい、と言い出す強さ。
全然まけてない。負け犬なんかじゃない。彼女こそがあの劇中唯一の勝者だ。

その恨む熱量にあてられた。
わりとすきだ。私にはそんな熱量がなくてとてもできないが。

 

 

●赦す
『おんな城主直虎』における直虎は、弱小地方領主であり、井伊という家が必死で(それこそなりふりかまわず)生き残りをかけ戦国をサバイブしようとした結果、直虎は幼少の頃に出家するハメになり、父親をはじめとした男たちは次々と謀殺と戦で亡くなる。
勢いで直虎は女性ながらに領主になり、反対する家老や家臣が最初は渋々ながら、そのあとは彼女の実力と面白さ、パワフルさにあてられるようにして味方になる。

でも
結局は色々のたくらみや(かなりぐずぐずの)策はそうそうはうまくいかず、いろんなツケが回ってくる。
作劇としてとても残酷に、すべての「したこと」のツケがまわってくるのだ。
そして最終的にそのツケは、大事な(肉親感情というか男性同士なら完全にブロマンスのような関係の)幼馴染の政次をこの手で始末してみせる行為により血で払ってみせた。
家としての潔白証明をしなきゃならなくなったから。

彼女はその後PTSDにもなった。始末してみせなければならなかった相手が、自分の領地を収めるという一見屈辱的な状況に耐えた。そして彼らとも一緒にまた別の大きな勢力相手に耐え忍んだ。何事かの共犯になった。
その結果、
彼女は領主であった時以上に、土地を収めることを、土地を納めている直接的な領主すら操ることを覚えた。
彼女が守りたかったものは、家の名でも立場でもなく、土地とそこで暮らす民の生活なのだ。ただしき領主。僧籍に身をおいたからこその諦観もあったかもしれない。

だからといって、彼女は手にかけた大事な政次を忘れたわけではないのだ。きっと。
結果のために過程を殺した。結果のために個としての感情は殺した。

それをプライドがないと詰る次世代に「わかってもらおうとは思わない」との態度を取り、じゃあそれ押し通して君はここで何がしたいの?って言い放つ強さ。
大きな犠牲を払ってまで手にいれた暮らしを手放すつもりはないというのは実際そうなのだが、それ以上に彼女は新しく土地を納めている領主を<民を守る>という条件付きで赦してしまったのだと思う。
(まあこれは現領主の人柄だからこそ通じる策である部分も大きく、やはり若干ぐずぐずな部分は否めないのだけれど)

「彼らには彼らの事情があり、(決して私ではなく)民の暮らしを守ってくれるならそれでいい」という強い意志。だからこそ、現領主のプライドを立てつつ操り、そこだけは死守するべく全力を傾ける。実際死守できている。全然弱くない。
全然まけてない。負け犬なんかじゃない。彼女は未だに勝者だ。
彼女は領主になりたかったわけではなく<土地を収めるただしき役割>を未だに務めているのだ。そういう意味での彼女の勝利条件は守れている。
その大きな熱量にあてられた。
これもわりとすきだ。私にはそんな熱量がなくてとてもできないが。

 

 

●熱量と前向きさ
恨むのも赦すのもとても熱量がいる。諦める方が楽で早いから。
恨むより嘆いた方が、赦すより忘れた方がはるかに簡単だし、熱量もいらない。
私は大概そうしてる。

マーガレットは恨むことに全精力を傾けてそれが彼女を生かしていた。とても前向きな気持ちで。
直虎は、土地を収める者としての役割に人生全てを傾けざるおえなくてそうした結果、一般的な女性らしい結婚や出産をしなかった。親が役割を押し付けた事を申し訳なさがった。
けれど彼女はその事で気付けなかったことを気づくことができたと述懐する。
とても前向きな気持ちで。

 

人のいきかたはそれぞれだが、前者も後者も熱量だけはとてもある。
それはもう真似できようはないけれど、見ていて何事も前向きなのは大事だなと思った2017年の晩秋でした。

 

まあ、何ごとにおいても体温が低い私には難しい話なのだが。

『リチャード三世』のこと

ながい。あとネタバレ回避不可避。
妄想がはいってるしこれだけよんでもわかるかどうかは謎ですが、
備忘録というか、頭から文章かしてとりださないと、頭ぱーーーんてしててどうしようもないときってないですか?
私はあります。
後日まとまって、きちんとした文章をとおもっていましたが、頭ぱーーーーんってなってるので、もう箇条書きであげとくことにしました。
なのでメモなのやもしれません。
にしてもネタバレ感は否めない。申し訳ない


というわけで、佐々木蔵之介さん主演、プルカレーテ氏演出台本による『リチャード三世』みてきました。

(以下画像はゲネプロの画像をネットで記事になったのから適宜ひろってきたものです。色々ホントにごめんなさい)


そうだ大事なことを。ゲネプロの写真みておもったのだけれど、ここまで白塗りしてなかったようなきがする。もうちょっと白塗り度合いが弱かった。とおもう…
いや自信はありませんがw

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●オープニング、パーティーシーン
タテノリ系のノイズジャズ、シャンパン。兄をロンドン塔に閉じ込める。まるで遊びのように。
すごかった。
「すぐに救い出しますから」そんな気もないのに。
リチャードは自分を醜いと嘆いて見せ、ピエロの扮装をして戯けてパーティに来てた皆を油断させ騙してた。すごい。
つかまったときの兄も列席者もげらげら笑ってた。ずっと遊びのように。
あとあのパーティに出てた人らも、その後の葬列でマーガレットに恨まれてた人らも基本自分が得することしか考えてない。エゴ丸出し。あの時点で、あそこにいた全ての人が手にしようとしている権力のキラキラに浮かれていた。
でも楽しそうだったんだ。そこに全然躊躇いがなくてね。

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●リチャードのせむしのこと。

せむしなんだけど、そうじゃないときもある(普通にしゃきっとしてる)。
多分沢山嘘ついたり心にもない時や、誰かを油断させるためだけにせむしを利用してる。ってところがまた、こう、卑怯なかんじがしてとてもよかったですw
あとついてる杖が、ことごとく医療器具なので、そこもよかった。
細い足にスキニーパンツ黒を、靴ひも入れずにはいたラバーソウルの重たげブーツにつっこんでて、適当にはいてて、ラフなんかんじもいい。
一度だけそのブーツの片足が、赤い靴底のピンヒールブーツだったときがあって、これがまたえろかった。
そうなんだよ、なんかえろいんだよ!w
せむしやってるときの卑屈にみせた笑いも、(これから始末することになる)ちいさな皇子達にはなしたときの道化た台詞も、勿論玉座につこうとするときも。
(玉座のシーンは、完全に玉座とセックスしてました。感情昂り最高潮だったw ビニールのマントからーびょーんて顔だしてはーはーしてたw)

後半どんどん隠す気なく、性格が粗野で野望を隠そうともせず、寸胴鍋から犬食いしてるシチューもラッパのみしたシャンパンもなんかエロいw そして粗野。
食べてるのも食事ではなくてあれは獣を表す記号なんだろう。
前半でアンを籠絡したときは尽くした言葉も、後半のグレイ夫人(兄嫁)の時は完全に膝詰め寄ってスカートに手を入れようとしてた。しかもグレイ夫人に言い寄ってた訳ではなく玉座の正統性のためにその娘エリザベスを嫁にくれって話だったのにだ。

それなのに死に怯え、悪夢を見(歌われててたけれどw)、最後は怯えて道化て笑ってひとりぼっちな姿はとても哀れ。殺す相手だろうが政敵だろうが、誰もいないよりずっとずっと幸せなんだなっておもった。
玉座につくまでに人を殺し奪いすぎて、誰もいなくなった姿は可愛そうだった。
私はじめてリチャード三世に同情したし「ああこれはとてつもなく魅力的な人物だったのだな」っておもいました。
リチャード三世は、なんだかピカレスクロマン的だとは思ってはいたけれど、ここまで魅力がすとーんと落ちてきた事もなかった。

 

 

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●ブッチャーまたは犬達
リチャードが犬のようにして使っていた汚れ仕事してた手下2人(ケイツビー&ラトクリフ)の格好が完全にブッチャー(肉屋)だった。もしくは解体屋。なんのとはいわない。
白く長いゴムエプロン、白ゴム長。頭には手術帽、手術用グローブ。
その仕事を飽き飽きといった風情で、普通に<仕事>として殺しをしてた。
すごくドライ。慣れ切ってる。
ふかし煙草のまま、仕事をしたあとにすぐ煙草だったり、魚肉ソーセージだったり。
(食べるシーンは卑しさの象徴なのだろうな)
たまにその真っ白(下黒パンツで上半身裸とか)の上から古びた皮革のような加工した茶の8つボタンタブルコート。幅広い衿にドレス丈。背中側だけのウエストマーク。
袖の返しは20センチくらいありそうな深さ。
どことなくクラシカルでアウトローな風情でかっこよかった。
後半、本当に犬っぽい仕草で舞台で手足をなげだして横になってねてるのが完全に野良犬だった。わんちゃんふたりともかっこよかったです。
(でもそのころのリチャードも粗野になっていて、普通に鍋から直食してたけどw)

 


●舞台装置とか音楽とか
便利につかってたのは錆びたストレッチャー、天井は無影灯風味の大きなライト。敵を風呂に沈めて殺すシーンに陰鬱なノイズ、古びたとりどりの椅子。
断頭台メタファーのチェーンソー。壁にも部屋にも見立ててた大きな箱のようなセットもサビサビ加工。
背景は石造りをもした布で囲われて。
舞台美術がすげー好み。共産党時代の古い設備のまま打ち捨てられた廃病院といった風情。
もしくはサイレントヒル
度々でてくるのは、ビニール袋とダクトテープで、死体袋のかわりだったり拘束具のかわりだったりで、現代的でドライな血みどろ記号満載でいい。
すごいこのみ。

バスサックス2本は生、オープニングはノイズ系ジャズ、陰鬱なノイズや突如はじまるミュージカル。
声のサンプリングした何かとか、音も面白かった。
とにかく、シェークスピア劇を解体してる感。途中大胆にとばしてるとことか、原作のつまんないところ(詩的な政治批判等)は適度にかいつまんでるのもわかりやすくて好きだった。

 

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●マーガレットのこと。
マーガレットは夫と息子をリチャードに殺された哀れな狂女の役。
の筈なのだけれど、今井朋彦さんの演ずるマーガレットの気高く呪いの言葉を吐き、プライドを失わない姿は本当にかっこよかった。
それでこそ狂ってる。狂ってるを狂ってるらしく演じてないのが狂ってる。
そして多分、誰もがエゴにまみれた話し合いだけを、瀕死の皇帝の側で繰り広げているあの<人として>狂った中で、マーガレットは夫と息子の復讐のためにだけ生きていたので、とてもそのエゴはすっきりしていて、寧ろ常識的にすらみえる。
(きのせいw)

6センチくらいのTストラップダンスシューズ。25デニール位の透けた黒スト。膝丈キャミソールドレスに、(多分殺された旦那さんが息子の)灰色のダブルのオーバーコート。重たげなウールであからさまに大きい。勿論ドレス丈。髪はぼさぼさで手入れされてない風情。
ストレッチャーに腰掛けて、足を組む。組み直す。細すぎない透けるふくらはぎ。
不必要にエロい。

人を呪い、生活全てを呪いにかけてる。寝ない食べない、無くしたものを現実より良かったと思いこむ。失わせた相手をより憎む。
その死を予告した相手達に何の手も下してはいないけれど、対象が亡くなったり犬達に連れていかれる後ろでコートを翻すようにしてくるって回って、その死を必ず見送ってるのはあれ生霊なんだろうな。
呪いと前向きに向き合っていて兎に角ポジティブだった。
(最終的に全目的を達したのも彼女だけだ)

 


●グレイ夫人&ヨーク公夫人
この二人も男性だったのだけれど、お二人とも出て来た当初から全然違和感なかったw
グレイ夫人は本当にすごくて、すごくてすごくて!! 普段女形をされてるだけあって全てが女性だった。声のだしかたも高さも、仕草も、長いドレスで隠れている中で履いているであろうハイヒールでの裾さばきも本当に素敵で!
この二人が、リチャードの命令によって謀殺された幼い皇子を弔いながら、二人で謡うように呟いてるのが、1オクターブ半くらい離れたバリトンヨーク公夫人)とハイテノール(グレイ夫人)のユニゾンで、リチャードへ呪詛吐いてた。
そこにマーガレットの呪詛がかぶさって、内容がききとりづらい時もあったが、気にならない程の恨みだけが伝わるの、とってもいいとおもった。すごくこのシーンも気に入った。
マーガレットはこの二人に、呪う方法を教えていた。
寝るべき時にねない。食べない、生きていた人を現実より素敵だとおもう。それを失わせた人間をより酷い人だと思う。
これ、ちょっと鬱っぽくなるとやりがちな全てで「ああそれは追い込まれるわ」って素直になっとくしちゃった。

 

 

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●衣装
パーティーシーンのオープニングは全員が白シャツ黒パンツに黒ブーツ。シャツの袖まくってたりはだけてたり、ブーツもきっちりはいてたりラフだったり着こなしは色々。
議会のシーンではシェイクスピア時代のような大きな白いえり、白いカフのフロックコートにトップハット。
多分はじまって数分で顔の白塗りにはなれるw

リチャードは上半身裸にパンツだけとか、上半身に薄いピンクのコルセットに毛皮のコートとか。
基本的にコートは全員ドレス丈!!!! 最高of最高!
この手のアレンジ衣装の場合、現代的すぎたり(普通の現代服)、もっとわけのわからない衣装だったりするときあるけれどそのどれでもなく、コートはクラシカルでシャツは現代で、ブーツやハイヒールなど、なかなかそのミクスチャ具合がよかった。


兄で王だったエドワード4世は、最初から瀕死の病人なので、点滴バックを3つつけて、ガウンで術衣。あしもとはスリッパで車いす。あからさまに入院患者でそれでおわってしまったが、中の人阿南さんなので、とてもいい人にしかみえないw
(史実的にはいい人とはいいかねる)
(自分で分裂させた政敵同士に手を結べっていうところとかもすごいエゴだったけれど、阿南さんのせいで「おじちゃん子供のために頑張ったのね…(ほろり)」みたいな気分にw)



女性陣。あえて女性w
アン夫人

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手塚とおるさんが演ってた役。旦那さんを殺した相手とリチャードをなじっておいてその遺体の側でリチャードに口説かれた。まあ仕方ない。あの時のアンはティーンエイジャーだ(中の人55歳とかいわない!)
旦那の弔いだったので黒いスリップドレス。頭に黒いベール。
「あなたの美しさが罪なのです」「あなたの美しさのために彼は殺されたのです」と言われ、気に入らないなら殺してくれと、リチャードが胸に剣を当てて「さあ殺せ」とパフォーマンス。
殺れるわけもなく指輪を頂く。そして衆目の中契約のキスを。わりとあっさり見れた。
有名な台詞「こんな風に口説かれた女があったろうか?こんな風に落ちた女があったろうか?」を結局言われてしまう。
挙げ句に
劇作のリチャード三世は、政略としてアンが必要だっただけなので、玉座についたリチャードの側にひかえるアンはもう置物だった。黒のふんわりしたスカートのイブニングドレス。でも生ける屍。すぐに黒いベールを掛けられて、隣でリチャードが一人で玉座とキャッキャウフフ(婉曲表現)してて、そのあと犬達に始末されてた。
でもその後の怨嗟シーンでは真っ赤なイブニング。たのしそげー
あと手塚さんでかいなーww
問題なキスシーンは(というか私のブレーカーをバチーンといれた)キスは別の人とだ
グレイ夫人。
スキンヘッドに被ったオーガンジーの長いショールに王冠。
長い長い引いた裾。裾さばきが美しかった。弔いの時は黒いドレス。裾はひいてなかった。怨嗟シーンは青系の濃い藤色のドレス。兎に角裾さばきの綺麗なこと! すこし揺れる頸の美しい事!!
スキンヘッドだけど完全女性でした。というか完全に途中からそれすら忘れる。
リチャードの母、障害と醜さをもった悪なる息子を愛せない母ヨーク公夫人。
クラシカルな仕立ての首までぴっチリレースのような黒ドレス黒帽子に軽いベール。どんと響く低い声。でもこういうおばちゃんいる!ダウントンアビーにすらいそう。

 


●友・バッキンガム公のこと
恐らくリチャードの唯一の友人であり(まあバッキンガム公も領地拡大というあからさまな目的はあったのだけれど)唯一手を下した相手が、バッキンガム公。
リチャードはあれだけ犬達に殺しをさせておいて、その目で、その場で死を見届けたのは(舞台上は)バッキンガムただ一人だった。

で、それがもーね!!!!
アンとキスしてるときより断然艶かしかったんですよ!!
もうね、エロいとかじゃないの。なんだろう。感情のもつれ?? 
まあもつれもするか。殺されといてもつれない感情なんてないわね。

一度目のキスはリチャードから。悪事に荷担する契約のためのキス。
ひみつのあいだがら。
16世紀舞台のあれはブロマンスにいれていいやつ?
魅力的で黒く輝いてたリチャードにバッキンガムは多分魅了もされたんだろうな、とは思う。
協力者の手をかり、バッキンガム公の手もかり、リチャードは玉座につくのだが、結局疑心暗鬼になってきっと眠れてない(すでにひとりぼっちの)リチャードは、バッキンガム公と約束した領地を渡す手続きを全くしなくて。
味方だった筈の政敵もどんどん陥れるリチャードに怯え、バッキンガム公は領地の件を訊くものの「ものをくれてやる気分ではない」って原作にある台詞をいわれちゃう。
で、バッキンガム公達は叛乱しちゃうんだよ。

その後、
犬達にバッキンガム公はつかまり、ビニールとダクトテープでストレッチャーに固定されて目隠しされて運ばれて来た。
リチャードと話させてくれ、ってずっといってた。
その手をリチャードが取りブッチャー達が(リチャードが纏っていた王のマントがわりのビニールを押し付けて)窒息死させた。
リチャードはバッキンガムの体が動かなくなるまで手をとりつづけ、手首や手の甲に口づけてた。悼ましい、申訳ない、怯えた表情で。
でも一言も声はかけなかった


そんなリチャードとの二度目のキスは、
リチャードが追いやった相手から呪われる戦場での悪夢シーンだったのだけれど、ここがミュージカルでw
私も普段、突然はじまるミュージカルは苦手ちゃんなんだけれど、なんていうか、ここにいたるまでのリチャードのひとりぼっちで追いつめられ、前半で華やかに悪事を働いて陽だったのにくらべ、
殺し尽くし追い落としつくした先の玉座は孤独でさみしかったので、この怨嗟のミュージカルの明るさが胸にささるっていうか。まあきっと普通に不安から眠れてないから見る妄想なんだろうけれど。
今まで殺された人ら総出演で、生サックス引き連れて歌いにくるんだよ。
ほらちょっとしたハロウィン。
サビの歌詞の最後は大体
「この世に想いを絶って死ね!」だった。
いいきりでかっこいい。
「血と罪 罪に目覚め この世に想いを絶って死ね」だけはなんとなくききとれて覚えてる。

死んだ いやリチャードの目の前で殺された バッキンガム公がでてきた。
歌う。信じてたのに信じてたのに。
リチャードの手を取りタンゴ。
まあ男性同士のダンスはイギリス社交界は<よくある>のでそこまでおかしくないが、シェイクスピアの時代にタンゴはなかった気はするが男性同志のタンゴは好物なので難しい事はいいませんw(元は男性同士で踊るものだったはずだしね。いいの素敵だからw)
バッキンガム公にリチャードは怯えてた。
あれだけ犬達に「殺せ」といってライバルを幾人も屠ったリチャードだけど、たった1人自分の目の前で死を見届けた相手が友って業と愛情が深すぎてそりゃ怯えるわね。
タンゴの腰がひけてたのを、ぐっと引かれた。
熱烈なるキスですよ。
バッキンガム公からの、死者からのキス。ねっとりとしつこいやつw(おもいこみw)
彼はリチャードを信じてたのに!信じてたのに!!!

はー美味しかった(違)

 


●リチャードの死のこと。
殺しに殺し、殺す相手も居なくなり1人になったリチャードは可哀想だった。
愛であれ憎しみであれだれか対象がいるというのは幸せなのだ。
だれも居なくなった先の疑心、不安で人は狂うのだな。
最後に「絶望だ。 愛してくれる人は一人もいない 俺が死んでも誰も哀れんでなどくれんだろう」と嘆くのだけど、
殺した死者達が喜んで迎えてくれるよ、って思った。
多分一人よりは怨嗟を吐かれ、死後彼らから殺された方がまだましだろう。
だからあの死は救いだ。

ロンドン塔に幽閉され「馬を持て!代わりに王国をくれてやる!」の有名シーンで、やってきたのは馬じゃなく車椅子。
何度かでてきた代書人(これが唯一の女性なのにおひげつけて男装してるのが倒錯的よね)から渡されたタバコに銃型ライターで火をつけ、ピエロの鼻をつけ道化てみせる。
幕が上がったときは同じことをして笑ってくれた仲間は全員追いやった。
もしくは殺した。
幕が下がる。銃声。

 

原作通りなら殺した相手はヘンリー7世だったはず。リチャードが嫁に欲しがったエリザベスの旦那。
正当な王家の血筋に始末された。
この劇なら原作者であるシェイクスピアに「幕を引かれた」という感じでもいいな。
よかった。兎に角素敵。

 

 

 

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●総合的に雑感(今までのも雑感だったとかそこいわないw)

  • 犬達に命じてライバルを陥れ殺し玉座について、殺しつくすまで楽しかったんだろうなぁリチャード
  • 殺す人もいなくなったリチャードは哀しくて滑稽だった。誰も愛してくれないじゃない、愛してくれそうな人すら手にかけたんだからそりゃ仕方ない。でもその身に安らかな死を、と願わずにはいられなかった(史実とっくに死んでる)
  • 不安と睡眠不足は人を狂わす。それこそマーガレットじゃないけれど、玉座についたリチャードは寝るべき時に寝ず、食べる時にきっと食べてないのだ。わかる。よくやるやつだ。
  • 最初の、みんなが自分の得だけ考えて、わーきゃーいって他人を陥れてたパーティーたのしそうだったなー。リチャードしか残らない椅子とリゲームは嫌だけど。
  • マーガレットは目的を達成したわけだけれど、無事にその後いきられたのだろうか。
    のろいが全てだったろう彼女に平穏なる日常を。
  • リチャードに同情したの、はじめてだなー
  • とにかくいい劇でした。残る。なんか感覚にこびりつくのがすごくいい。

歴史ものにおける色小姓問題

いや、昨日が放送日だったから伝説もなにもいまからなのだけれど、
「おんな城主直虎」42回は、もう私的には伝説回だとおもうのです。


覚えてるかぎり、10歳からこっちずっとみてる大河で、ずっとぼやかされてる色小姓問題ですよ。
BLとかじゃなくて、教養と文化としての男色って日本の歴史には脈々とあるはずで、
それは肉体的な部分と精神的部分があってどーのなんて話は色々な本をよむがいい私。
家にある澁澤龍龍彦のどれかで読んだ筈だ(いや足穂のA感覚とV感覚かもしれん)。


もうあからさまで誰も躊躇しないのは、織田信長森蘭丸の関係なのだろうけれど(皆が聞いたら「ああ」って漠然と認識するレベル)、それだって私が知る限り大河で具体的に放送されたりはしてないと思うのです。
過去の大河でも、あからさまに近親相姦だよねこの執着レベルは、とか、
ああ、これ個人の趣味として男性好きなんだろうな、って人はいたんだけれど、そうではなくて、文化や伝統としての色小姓らしき存在って本当にタブーというか、まあぼやかされてた筈。

いやそれがですよ。多分今回、きちんと描かれてるわけです。
偉業だなっておもいました。すごい。いいぞもっとやれw

大河も10月に入り直虎の次世代として大河後半で描かれているのは、これから徳川の赤鬼とまでよばれる井伊直政になる、井伊虎松=井伊万千代。
今は下積みをやっていて(今川方にいたつぶれた家のコで、養子に行った先の徳川配下の松下の家のコとしてお城にあがれば即小姓になれたものを、わざわざ「井伊を」名乗ったものだから、冷遇されて草履番からはじめているw キレやすく、都合よく自分はまだ15歳だといい、15なのだから一人前だと主張する、本当によくある「イキったコドモ」なのだけれど)、徳川重臣の関係者がなっている小姓の連中にバカにされたりしつつも、やるとなったら下足番のお仕事も生真面目に仕事するわけです。
なんか変な方向に努力してることも多いけれどw なんかもう面白いコなのです。
万千代と万福(政次の弟、玄蕃となつとの子。万千代の数コ上)の幼なじみコンビも最高で、ラインハルトのちょっとおかしなやつとフランクなキルヒアイスみたいな良いコンビなのですよ。

 

42回は万千代君、いいように手伝わされた仕事を、目の前で彼らにいいつけた小姓が自分のしたこととして報告し、手柄を奪われ、悔しさで同僚のおじさん(将来本多正信になる人。まだ鷹匠あがりのノブとしての同僚であり手下)を勢いで殴った(どうかとおもうがw)

でも、我慢して生真面目に働いていたらそれはそれで、きちんと見てくれる人が現れる訳です。

徳川家康ですよ!!!
これまで万千代は何度か口約束してもらって(子供っぽく)期待しては「裏切られた」と言い続け、
『いつか●してやる!』とまで口走ってたけどまあw

やー家康さー。ほんといい上司なんですよこれが。
今川で苦労して苦労して今のところにたどりついて、可愛げがあって、重臣が支えてくれる。
情に厚い所があって、忘れなくて、わりときちんと良く見てる。洞察力がするどくて、鼻が利く。
出来る範囲では、きっと正しくいい人であろうとする。まあ出来る範囲でだけど。
周りには幼なじみの重臣も、人質となった子供の頃より支えてくれた人らもいる。
今はその人たちを重用するしかないけれど、いずれそれだけでは大きくなりようがないってちゃんとわかってる。

小賢しくイキった感じの万千代も「才長けた面白いコだなあ」って思ってて、自分の幼名から「千代」を与えた。これだってかなり特別視してる証拠で。
そこをえこひいきは家内の遺恨になるかもしれないと榊原康政あたりは諌めたりしているっぽくて。
いつかは取り立ててやろうとか叩いたら伸びるコと見極めて彼らを下足番にしたし、いずれはきちんとするとの直虎への口約束もきっと信頼していいものだろうけれど、まあ
そんな大人の意図なんて知るか!今えらくしろ!ってタイプの子なんですよ万千代君w

そのイキった感じが、出来る気になって就職してきて、アシスタントしかさせてもらえなくて不満たらたらの新人サラリーマンそのものっていうか、まあ確かに、大人の目からみたら可愛いところもあるわけで。

 

でね、昨日です。
戦に勝利してもどってきた家康は、万千代万福とノブのやってる下足場の棚が立派になってるのにちゃんと気付くんです。
戦勝記念のお祝いの席からいなくなった家康の行方を、多分寝所までおくった榊原康政に(酔った)忠勝が訊いたら、曰く「疲れたからもう休む」と。
それなのに、その寝所に呼ばれるわけですよ。万千代君がww
当の榊原康政がよびにくるんですよw 「殿が寝所までこいとお呼びである」
しかも「身綺麗にしてからこい」ってwww

 

いやーもう誤解するよね。というか、そういう話だよね?
大河でやったなーって、もう私はニヤニヤしっぱなし。
そこにいるノブがいうわけです「万千代様は顔だけ<は>はかわいらしいから」「殿は趣味をかえられたのかもしれません」←殿の趣味を熟知してるのかこのひとは…w

追い打ちw

で、万千代君はよっしゃーってへんな覚悟決めてw ちゃんと体を清めて(おそらく)新しいふんどしで一張羅で寝所にあらわれるわけですよ。

 

狭い部屋。敷かれたお布団の向こうで、家康、なにかむしゃむしゃたべながら一人囲碁
(いやさっきまで康政がいたのかもしれないけれど)
布団のむこう、入り口付近にちょーんって座る万千代。
遠いから話もできないだろーって、ほろ酔いの家康が近くに呼び、
武具の手入れが今までと違ってちゃんと出来ていた。今までにはなかったことだから、きっと君らだろうって。棚も綺麗になってたし、日本一の留守居を命じられたら(家康がでまかせ気味にいったんだけどw)ちゃんと頑張るコだよね君ね

ってほめてくれるわけですよ。
もう自分たちみたいな下っ端のことをちゃんとみててくれて正しく評価してくれて、褒めてくれる上司ってこう、最高じゃないですか?
万千代君、お目目まっかにして泣きそうになって感極まって、それがもう今までずっと怒ったり怒ったりどこの阿修羅か?ってくらいのヘン顔みたいなのをしがちだった万千代君(の中のひと)に相応しいかわいらしさで。
寝所によばれる→そういう意味じゃないから、って笑っていなした家康君の心がこうぐら、っとするのもわかる可愛さという描写で。
うん。これ演出と演技がうまいんだ!

で、ぐっと膝をつめてきた家康が
「もういっそほんとのことにしてしまわぬか?」っていいだして、いやいやいやいや、って覚悟してきた筈なのに腰がひけて、まぁそこまでしか画面はなかったのですが、
来週の予告みたら、無事小姓になった万千代万福君が、家康の名をだして相手を威嚇してるわけですよ。

 

えーとつまり、そういうことですかね?

 

みたいなミスリードをまたこう…(きっとどっちとも書かずにどうとでもとれる風になってるのだけれど、史実的によくいわれるのは、事実直政君はそういう関係だったらしいのですけど)

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